秒速5センチメートル という文字が見えていた。

 

 

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: Prime Video
 

 

 日頃アニメはあまり見ないが、あえて先日のブレイブストーリーとコレを見た。

 

 

私の友人に詩の博士が居ますが、

この映画の始まりから、彼女の顔が浮かんだ。

私には彼女のような旅情的な文書は書けないが、このアニメ映画の中には、彼女の感性に似たものが流れているような気がした。

 

 

私はこの ↓ ブログを書いた時に、

とある純粋さは遠くなったかもしれない

と書いた。

 

takedamiki-j.hatenablog.com

 

 

 

このアニメ映画の中には、大人が大人の事情と意識してごちゃごちゃと考えてしまうような内容とは全く違う、故意にも無意識にも大人の事情好きな方が忘れてしまった純粋さがあった。

 

 

私は学生時代、このアニメ映画のような恋だなんだというのは無かった。

この手の成長が遅く、興味が薄かった。

そもそも私の中に小学3年生がいたので、非常に子供らしい、薄っぺらいんだか、見返りとか何も考えていないから純粋なんだか、ただのバカなのか?という感じだった。

 

好きという気持ちはあっても

中身に小学3年生が生きていると、片思いでキャッキャという程度で、恋だなんだと言うことは、世界の外の話だったりした。

 

だからこそ、

この映画はとても優しいな〜と感じた。

この優しさを大人になると忘れちゃうんだろうな。

しかし、オチがあって

この映画も、終わり方は大人の終わり方だった。

 

 

映画を見て、大人になり過ぎた自分に気がつくのも良いものですね。

 

 

しかし、しかし、しか~~~し、

事実はアニメ映画よりハッピーエンドということだってある。

 

それを見たのは、

雑誌だったことは確かですが 、どこで見たのか覚えていない。

ひょっとしたら飛行機の中だったのかもしれないが、そのページに掲載されている男性の写真は目に焼き付いている。

佇まいという言葉が使いたくなる程 凛としていた。

佇まいというのは「立っている様子」という意味もあるが、その記憶の写真の男性は和服で、畳の上に正座されていたはずだ。

 

精神の有様が写真に写っていた。

カメラマンさんの腕も凄かったんだろう。

 

写真からは「一切のブレは無し」という言葉が連想された。

 

このアニメ映画のような関係の女性が(ひょっとしたら男性の片思いだったかもしれないし、お互い好意はあってもその時代はそう簡単に伝え合うものじゃなかったというイメージだったかな)若かりし頃いらして、

男性は好意があったけれど、その対象の女性は別の男性と結婚された。その時代の常識通りに親が決めた方とご結婚されたと書いてあった。

 

彼女と再会したのは、60歳か?70歳か?かなり人生の後半に入ってから。

 

あの若かりし頃の好きだった女性は、再会時に、(この男性に)「このヒトも苦労したんだな」と思われるような容貌をされていたって。

決して、優雅な生活をおくっておられたわけじゃなかったようです。

美魔女を死守するようなお人柄の女性でも無かったという事でしょう。

 

 

しかし、この男性は彼女を想ってその時まで生涯独身を貫かれていたので、好きだった女性がご結婚された男性(元ご主人)が他界された後再会されたため、(好きを貫いた)その女性とご結婚されました。

 

若かりし頃に、お年頃になった彼女さん(奥様になった方)が結婚したということは知っていたという事でした。再会する保証などないけれど、人生のほとんどを彼女を想って貫いたというだけあって、その生きざまというのか、精神というかが写真に写っていました。

雑誌の中で、「彼女と再会しなかったら結婚はしなかった」「生涯独身のつもりでした」「彼女(奥様)以外の人(昔他の方とご結婚されたから 必然的に彼女とは結婚できなくなったので)と一緒になるつもりは無かった。」と答えておられた。

 

凄いな~って当時心の底から思った。

 

なかなか出来ることじゃない。

現実や諦めや、譲歩をしていくことって多いですよね?

折り合ったり、今の条件や環境で手を打つという選択をしたり

(これが俺(私)の幸せなんだ)と理由をつけたり、言い聞かせたりします。

これだと思い込んだ後、アレ?と気がつく事だってある。

私はこういった出来事を沢山見て、世の中ってこういうもんなんだ。と思っていたし、自分も同じような事をして いけない!間違えた! と気がついたことだってあった。

世間体とか、さびしいとか、いろんなプレッシャーとか、子どもが欲しいとか、好きって言われたからとか、結婚を申し込まれたからとか

そうやって自分の幸せを模索して、選んで、流されて、これが運命だと思って、生きていく。

自分を納得させながら。納得しながら。

 

 

そうやって、1つが叶わなかった事によって、その後違う幸せに出会うことだってある。

 

 

良いとか悪いとかを書きたいわけじゃなくて、

書きたい事はこちら。

なかなか出来ることじゃない。

です。

できない方、しない方の方が絶対数多いので、稀有な存在であることは間違いないと思う。

 

 

本当にこんな男性がいるんだ! 

と当時の私は雑誌のなかのある程度の年齢の男性の迫力すら感じる静かな写真が目に焼きました。それは今でもあの迫力は思い出せる。(やっぱりカメラマンさんの腕も影響しているんでしょうね)

 

この方(男性)はずっとこの調子で貫いて生きてこられたんだ。迷わなかったんだ。ということが、滑ったり転んだりしないと物事を理解できない自分自身と全く違うんだと衝撃波を受けた感じがした。

 

時代を考えると、男(女)は家庭をもって一人前とか、〇〇家というプレッシャーや、説教、説得、Noと言いづらい結婚の薦めも十分あったと思います。

お写真の男性は清潔感のある男前(当時の私から見た時の「おじさま」という感じ)でいらっしゃったと記憶していますので、彼女さんのことを「過去」「終わったこと」にした瞬間にいくらでも選択肢があったと思います。

(実際に奥様になられた方は一度別の方に嫁がれたわけだから、過去にもなり、終わったことにもなったという言い聞かせはしやすい)

 

もうほとんどの男女はそうやって過去にしていくし、時間が解決するというある種の法則に助けられたりする。

 

 

あの雑誌で拝見したような男性は、 小説や映画の中にしかないと思っていた。

現実には見たことも無かったし、体験したこともない。

確かに雑誌の中の人ではあったけれど、

「本当にこんなことあるんだ! (◎_◎)」と感じた体験談だった。

 

 

こんな記憶があったので、

このアニメ映画の最後も 「貫きましたとさ。」と終わるのかと予測しちゃってたから 「あら? そっち? 大人の判断終わり?」なんて思ったりした。(笑)

 

私の記憶に生きているあの雑誌の中の男性は、今現在はおそらくもう随分なご高齢で、まだご存命かどうかわからない。奥様になられた女性も同じく。

 

幸せに過ごされていると良いなと思っています。

幸せに過ごされた。という過去形でも良いと思っています。

 

当時、記事を読んで、 なんだか自分のことのように嬉しくなったんですよね。

私は体験していないこんな貫き方をする人が実在したということだけでも十分嬉しかった。

 

この男性が報われた様な気もして嬉しかった。

 

世の中には、時には 強く輝いているものがあるんだ。と思えたんだよね。

 

男性の写真には揺るぎないものが写っていたし

写真などは一切なかった、お名前も登場していなかった(と思う)奥様になられた女性にも 当時の私なりに思い入れをした。

 

雑誌名も、いつ頃この記事を見たのかもなにも思い出せないですが、

今回みたいな映画や小説を目にすると、漏れなくこの雑誌の男性が目に浮かびます。

 

当時 年の離れたおじさまの年齢だった実際にお会いしたことのない男性が

私の人生のこんなに長い期間脳内に強く印象に残っている。

 

その位、稀なんだという事なんだね。

 だって、この男性以外には風の便りにでも聞いたこともないし、「それはあの男性と同じだよ!」という方に実際にお会いしたこともない。

 

大多数の側は大多数の側で、いろんな事情や都合や考え方、生き方があるもの。

 

 

ただ、良し悪しじゃなくて、

なかなか出来ることじゃない。

 

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追伸

映画を観た方のレビューに

「キモイ」っていうタイトルがあった。

感性は様々ですね(^^)

 

 

 


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